システム監査平成13年問14

 人事情報システムで使用している社員情報の取扱いのうち、プライ
バシ保護の観点から、適切なものはどれか。


 ア ある社員の社員情報を収集する過程で、必要以上の個人情報も
  入手したが、一応保管することにした。

 イ 社員情報の一部である経歴情報について、退職予定の社員から
  事実と異なる箇所の訂正を求められたが、応じなかった。

 ウ 社員情報のデータ管理者を選任し、社員情報管理の徹底を図る
  ことにした。

 エ 所轄の官庁から、特定社員の情報提出要求があったので、用途
  を確認せずに提供した。

解説

難易度 ★★
解答

 ウ 社員情報のデータ管理者を選任し、社員情報管理の徹底を図る
  ことにした。


 個人情報保護に関しては、OECD8原則を基本として押え、

 ・プライバシーマーク制度
 ・JISQ15001
 ・個人情報保護法

 の3つの柱で考えていくといいでしょう。

 ◇OECD8原則 とは。。。

  1980年に経済協力開発機構(OECD)が採択した
  「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」
  の中に記述されている8つの原則です。

  この8つの原則は、個人情報保護の考え方の基礎になっています。


               表.OECD8原則                
┌────────┬───────────────────────────┐
│目的明確化の原則│収集目的を明確にし、データ利用は収集目的に      │
│        │合致するべき                     │
├────────┼───────────────────────────┤
│利用制限の原則 │データ主体の同意がある場合、法律の規定による場合以外は│
│        │目的以外に利用使用してはならない           │
├────────┼───────────────────────────┤
│収集制限の原則 │適法・公正な手段により、かつ情報主体に通知      │
│        │又は同意を得て収集されるべき             │
├────────┼───────────────────────────┤
│データ内容の原則│利用目的に沿ったもので、かつ、正確、完全、最新である │
│        │べき                         │
├────────┼───────────────────────────┤
│安全保護の原則 │合理的安全保護措置により、紛失・破壊・使用・修正・開示│
│        │等から保護するべき                  │
├────────┼───────────────────────────┤
│公開の原則   │データ収集の実施方針等を公開し、データの存在、    │
│        │利用目的、管理者等を明示するべき           │
├────────┼───────────────────────────┤
│個人参加の原則 │自己に関するデータの所在及び内容を確認させ、     │
│        │又は意義申立を保証するべき              │
├────────┼───────────────────────────┤
│責任の原則   │管理者は諸原則実施の責任を有する           │
│        │                           │
└────────┴───────────────────────────┘


> ア ある社員の社員情報を収集する過程で、必要以上の個人情報も
>  入手したが、一応保管することにした。

 誤った記述です。

 目的明確化の原則、利用制限の原則、利用制限の原則に反した取扱
 いです。

 収集目的を明確にし、情報主体の同意のもと個人情報を収集しなけ
 ればなりません。


> イ 社員情報の一部である経歴情報について、退職予定の社員から
>  事実と異なる箇所の訂正を求められたが、応じなかった。

 誤った記述です。

 データ内容の原則、個人参加の原則に反した取扱いです。

 収集した個人情報は、利用目的に沿ったもので、かつ、正確、完全、
 最新である必要があります。

 誤った情報があり、情報主体から、訂正または削除を求められた場
 合は、合理的な期間内に応じ、処理しなければなりません。


> ウ 社員情報のデータ管理者を選任し、社員情報管理の徹底を図る
>  ことにした。

 正しい記述です。

 個人情報の取扱いは、慎重に行わなければなりません。

 データ管理者を選任し、管理を徹底を図ることは、適切な管理とな
 ります。

 JIS Q 15001によれば、「事業者の代表者は、この規格の内容を理解
 し実践する能力のある関しりゃを事業者の内部から指名し、コンプ
 ライアンス・プログラムの実施及び運用に関する責任及び権限を他
 の責任に関わりなく与え、業務を行わせなければならない」と記述
 されています。

 ◇JISQ15001 とは。。。

  日本工業規格(JISQ15001:1999)
  「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」
  のことです。

  通商産業省(現:経済産業省)が平成9年に告示した
  「民間部門における電子計算機処理に係る個人情報の保護に関す
  るガイドライン」に基づき、JIS Q 15001としてJIS規格化されま
  した。


> エ 所轄の官庁から、特定社員の情報提出要求があったので、用途
>  を確認せずに提供した。

 誤った記述です。

 利用制限の原則、安全保護の原則に反した取扱いです。

 利用制限の原則に従い、個人情報は、収集目的の範囲外で利用、提
 供を行う場合は、情報主体に通知し、事前に同意を得なければなり
 ません。